キセキの片付け|家族に喜んでもらえる収納上手さんになるための3つのコツをプロが伝授!

【はじめに】
収納が苦手、下手と思われている方が多いのではないでしょうか?
それは、「収納」における3つのポイントが完成していないからなんです。
この3ポイントで、自分だけではなく家族にも喜んでもらえて暮らしやすくなる収納を作っていきましょう!
いちいち物の置き場所をきかれない、家族が自分で使った物を元に片付けてくれる仕組みが大切です。
目次
収納は「おもいやり収納」で完成する!
使い勝手の良い収納にするためには、一言で云うと≪おもいやり≫のエッセンスをどれだけ注いでいるかなんです。さらに言いかえると、
自分や自分以外の人が、次に使う時の事を考えた収納の仕組みになっているかです。
- 自分さえ良ければいい
- 自分さえ分かればいい
- 自分さえ使い勝手が良ければいい
こうしたジコチュウの収納になっていないかです。
ジコチュウの収納では、家族や職場の人は何がどこにあるのかがサッパリわかりません。
家庭や職場の物は自分だけでなく、みんなで使う物がたくさんありますので、共有できていなければいけません。
テレビや雑誌などを見て形だけを真似しても、ハサミひとつどこに収納しているのかが、自分も他の人もすぐに分からないのでは本来の収納の目的を果たせていないってことになります。
こうした収納には他の人がついてこれません。
いつまでたっても、〇〇はどこ? 〇〇はどこに片付けるの?って訊かれることになってしまいます。
私は、収納には3つのポイントが大切だと考えています。
この3つのポイントが≪おもいやり収納≫を完成させていきます。どれか1つでも欠けていたら未完成だと思って下さい。
もう一度、あなたの身の回りの収納を3つのポイントに照らし合わせながらチェックしてみてくださいね。
チェック1:物がすぐに見つかる仕組みになっているか?
いくら素敵な収納にしていても、何がどこにあるのかが一発で分かるような仕組みになっているかが大切です。
それは自分も他の人もです。自分は分かってるけど、他の人がいつも捜しているのであれば未完成です。
これを実現させるベストな方法は、
物の住所を決める(定位置管理または指定席管理)
あなたの家の中の物にはそれぞれ住所が決まっていますか?
例えば、セミナーでこんな質問をしています。

すると、こんなお返事が返ってきます。


または、こんなお返事もあります。

さぁ、皆さんもお考えになってみてください。
「テレビのリモコンをテレビ台の上を住所にする」って、いかがでしょうか?
ここでの私はテレビ台の上が良いか悪いかを訊いているのではないんです。
これでは、物の住所決めにはなっていないのです。テレビ台は広いです。右端も左端も中央も、または奥側も全てテレビ台です。
「住所」とは、番地や部屋番号までが住所ですよね。
「テレビのリモコンはテレビ台の上を住所にする」は、東京都世田谷区までしか決まっていないのです。
「テレビのリモコンはテレビ台の右端のココ!」とか、「リモコン収納の中」と云うところまで決めて、はじめて東京都世田谷区世田谷1丁目2番地3号になるのです。
これが、≪物の住所を決める≫と云う定位置管理、指定席管理です。
カギは玄関です。食卓の上です。バッグの中です。
全て未完成です!
玄関のどこ?
食卓のどこ?
バッグの中のどこ?
ピンポイントの場所を決めておくことを忘れないで下さいね。
引出しや棚にラベリングで物を捜さなくなる!
先程のテレビのリモコンのように、テレビ台の上とかリモコン収納の場合は見えているのでいいのですが、引出しや棚の中に収める物は見えなかったり、見えにくいです。
そこで、≪ラベリング≫をしておくことを強くオススメします。
文字で書いてもいいですし、シールなどを使ってマークでもいいです。または写真だともっと分かりやすくなります。
このラベリングにおいても大切なポイントが「おもいやりエッセンス」です。
収納は他人の目を気にしすぎない!
子どもの靴下を収めている引出しに「SOCKS」、ズボンの引出しには「Bottoms」、おもちゃ収納に「Toy Box」、「Train」、「Block」、「kitchen Tools」・・・とラベリング。
こうしたラベリングは結構多くの人がやっていると思いますが、ただ書いてるだけ、ただシールを貼ってるだけで、本来のラベリングの目的を果たせません。
どうして、これらのラベリングが良くないのかがお分かりになりますか?
すぐに答えが分からない方は要注意です。
英語を知らない子供は読めるでしょうか?意味が分かるでしょうか?
読めたとしても、英語に堪能じゃなければ一度日本語に翻訳しなければいけません。その時間がわずかだとしても、分かりにくさにつながってしまうのです。
すると、人は面倒くさい、わずらわしいって感じるようになってしまいます。
日本人は英語コンプレックスを持っているため、つい横文字にしてオシャレにしようとしてしまいがちです。英字新聞を使ってオシャレに包んだりしますよね。
私はオシャレにすることがダメだと申し上げているのではありませんので誤解のないようにお願いします。
オシャレやセンスの方を優先させていませんか?ということです。
英語が分からない子供には、サッパリ意味が分かりません。
これでは相手にラベリングの意味や目的が伝えられていないことになっているのです。
自分しか分からない言葉、ひと目で判別できない言葉などを使ってはいけません。
これが、<自分さえ良ければいい>というジコチュウ収納の一例です。
子どもでも分かるような言葉でラベリングをしておくことで、誰でも物の住所(位置)がすぐに分かるようになります。
捜さなくても、人に訊かなくても自分で物を見つけることができます。
こうした思いやりに溢れた収納の仕組みを作っていってください。
チェック2:すぐに取り出してすぐに使える仕組みになっているか?
例えばこんなことも家庭ではよく見られます。





マトリョーシカ収納になっていませんか?
こうした収納を私は、<マトリョーシカ収納>と呼んでいます ^^
何回も開けていかなければ目的の物にたどり着かない収納です。
例えば、沢山のバッグを省スペースで収納できる、こんな収納技がありますよね。
大きなキャリーケースに大きめのボストンバッグを収納し、その中にまたバッグを収めていき、最後の方は小さなハンドバッグを収納するという方法です。
確かに、ひとつのキャリーケースの中に沢山のバッグを収納できますよね。コンパクトに収めるのには便利な方法かもしれません。
だけど、その中から使いたいバッグはすぐに取り出せて、すぐに使えるでしょうか?
さらに、使い終わった後、簡単に元通りにできるでしょうか?
世の中の収納術や収納アイテムの多くは、言い換えるとこうではないでしょうか?
いかにして、どうすれば、物をたくさんしまい込めるか?
そのためのテクニックや商品の紹介。
1つの収納スペースに、1つの収納商品に、物をたくさん収めることで満足しているだけではないでしょうか?
服を小さくコンパクトにたたむ収納技は便利なテクニックです。お任せいただければ、同じ衣装ケースでも皆さんの3倍は収めてさしあげます。
あるグッズを使えば、下駄箱の中に最低2倍は靴を収めてさしあげられるでしょう。
ただ、ギューギューに収めた服や靴たちは使うのでしょうか?使っているのでしょうか?
それって、ただ単に〝うわー、たくさん収められた!〝って満足しているだけではないでしょうか?
「収納」は、収める納めると書きますが、<おさめる>ことが一番の目的ではないのです。
自分や自分以外の人が次に使う時、そしてあと片づけをする時のことを優先させていることが大事なんです。
世の中の収納術に洗脳されて、<おさめる>ことだけが優先しているような気がします。
<おさめる>だけが優先してしまうと、ただ単に物を<隠す>収納になってしまいます。
物は隠せば隠すほど見えなくなっていきます。見えなくなれば使わなくなっていくのです。
チェック3:使い終わったあとにすぐにあと片づけができる仕組みになっているか?
物は使ったら元の場所に戻さなければいけません。
いくら断捨離で物を捨てて減らしたとしても、いくら使い勝手の良い収納ができたとしても、<あとかたづけ>の習慣を身につけなければすぐに散らかってしまいます。
だけど、あと片づけの習慣って大人になればなるほど時間がかかるんです。
面倒くさい仕組みの収納だと、さらに身につけるのに時間がかかってしまうか、最初からやろうとしません。
そこで大事なのは、誰でも簡単にあと片づけができるシンプルな仕組みを作っておかなくてはいけないのです。
そのために、先ほどお話ししました<物の住所決め>や<ラベリング>は大変効果的なんですよね。
アクション数が多すぎる収納では?
マトリョーシカ収納や隠す収納は、物を使うまでに、またはあと片づけするのにアクション数が多くなってしまいます。
先程の爪きりの場合、爪切りを捜して、出して、爪を切るまでに何回のアクションをすることになるでしょうか?
洗面所に行く(そこまでにもドアを何回か開けて)、引出しを開けて、ケースのフタを開き、爪切りを取り出す。最低でも4回です。
人の脳はアクション数が2回以上になると、〝めんどうくさい!〝って感じるようになるそうです。
できるだけアクション数がは少ない方が、私たちにはストレスがかからないんです。
人は何か使う時には目的があるので、面倒くさくても捜して使おうとします。だけど、そのアクション数はあと片づけの時にも同じ回数が必要になるので、2回以上のアクション数だと、〝めんどうくさい!〝って思ってしまうので、使ったまま、使いっぱなしになってしまうのです。
見える化収納は物の管理が簡単になる!
そこで最近話題にもなっているのが、<見える化>収納です。
私は普段使いの食器の食器棚やストック品収納の扉を取ってしまい、オープン収納にしました。
こうすることで、使いたい物が一目瞭然で一発で分かります。
そして、こうしたオープン収納にした方がグチャグチャにならないって分かりました。
扉で中が見えなくして隠してしまうので、「人にも見えなければいいか」って心に油断ができてグチャグチャになりがちなんですね。
衣類収納は、<ブティック式収納>にしています。
靴下以外は、私は引出し収納は持っていないし使っていません。
いくら上手に収めても、引出しの奥の方の服は見えないので着る頻度が少なくなることに気がついたのです。
上着とパンツはクローゼットに吊るす収納、それ以外はたたんで棚収納にしています。
ガラスの扉にすることで閉めてても中が見えることで、着ていない服や頻度が落ちている服もすぐに分かります。最近の自分の持っている服の色や柄なども分かりやすいです。または、Yシャツ、ポロシャツ、セーターなどの量も把握できます。
つまり、見える化させたことで自分の持っている服の管理が簡単になりました。
グルーピング収納は使う時もあと片づけも簡単な仕組みになる!
何かひとつの作業をする時に、必ず2つ以上の物を使うのが決まっているのであれば、一緒に収納しておけばいいのです。
これを、<お友達収納>(グルーピング収納)と言います。
上の写真は「荷造りセット」です。ガムテープ、はさみ、ビニールひも、ボールペン、宅配伝票をセットしています。
ひとつにまとまっていることで、荷造りの際にはこのケースを持ってくれば全部必要な物が揃っています。
そして、荷造りが終わったらこのケースの中に入れておけばいいというワンアクションで済みます。
お手紙セット
慶弔・お墓参りセット
パソコン・スマホ周辺機器セット
冷蔵庫のグルーピング収納
皆さまも何か思いついたり気がついたら、とりあえず一緒にセットしてみればいいんです。
それで、使い勝手が良くなったり、あと片づけが簡単になるかどうかを確認してみればいいのです。
このグルーピング収納は、子どもから高齢者まで、<物を捜さない、すぐに使える、すぐにあと片づけができる>の収納の3ポイントを叶えてくれます。
家の中や職場の中に、ヒントがいっぱい落ちているはずです。
思いついたらドンドン試してみましょう!
その試してみることが、楽しさや面白さにつながっていきます。
楽しい、面白いと感じたことは、人って長続きできます。
そうやって習慣を少しずつ身につけていけばいいのではないでしょうか!
まとめ
以上が、私が提唱している≪おもいやり収納の3ポイント≫でした。
この中の1つでも欠けている収納は未完成です。
ジコチュウではなく、思いやりのエッセンスを収納には注いであげてください。
自分だけで決めて収納をつくるのではなく、家族で話しながら作っていきましょう!
もしも、〝まかせる!〝って投げられたり、話がこじれた時には、今この記事を読んでいただいているあなたが、≪おもいやり収納3ポイント≫に基づいて完成させていってください。
おもいやりと云うエッセンスを収納に注いだあなたには、必ず家族からもおもいやりという愛が注がれるはずです。
幸せなご家庭をお作りになってくださいね。
あとがき|キセキの片付けとは?
私が提唱しているキセキの片付けとは、<奇跡>と<軌跡>です。
片付けは多くのキセキを生み、育みます。
身の回りを片付けることで、必ずあなたに小さな<奇跡>が生まれます。
そして、<軌跡>とは、「小さな点の集まりがもたらす図形」、「自分が歩んできた足跡」と云う2つの意味があります。
たとえ小さな片付けでも必ずスッキリキレイな環境と云う図形を作っていきます。
たとえ小さな片付けでも続けてることで自分の足跡を残していけます。
<奇跡>や「軌跡>は、幸せをもたらすキセキです。
小さなキセキは意外に自分にも起こせるものなのです。
小さな奇跡の積み重ねが、自分の軌跡になっていきます。