整理とは「捨てる」ではありません!断捨離やシンプルライフとの違いについてプロが解説!

【はじめに】
私が提唱しているキセキの片付けとは、<奇跡>と<軌跡>です。
片付けは多くのキセキを生み、育みます。
身の回りを片付けることで、必ずあなたに小さな<奇跡>が生まれます。
そして、<軌跡>とは、「小さな点の集まりがもたらす図形」、「自分が歩んできた足跡」と云う2つの意味があります。
たとえ小さな片付けでも必ずスッキリキレイな環境と云う図形を作っていきます。
たとえ小さな片付けでも続けてることで自分の足跡を残していけます。
<奇跡>や「軌跡>は、幸せをもたらすキセキです。
小さなキセキは意外に自分にも起こせるものなのです。
2010年に流行語大賞にノミネートされた「断捨離」は、いまや多くの人が日常会話の中でも使っている言葉になりました。
この前、洋服を思い切って断捨離したのよぉ
こんな感じで使っていますよね。
つまり、「断捨離」 = 「捨てる」という意味になっています。
*「断捨離」を提唱したやましたひでこさんは、本当は「断捨離」 = 「捨てる」ではないのですが・・・・・・
一方で、日本には昔から「整理」という言葉もあります。
「整理」についても、本来の正しい意味が理解されていません。
「断捨離」ブームも手伝って、「整理」 = 「断捨離」、つまり「整理」も物を捨てることだと考えている人が多くなってしまっているのです。
要は、物だらけになった今の日本人は「捨てる」ことから始めなければ解決できないと考えているのです。
これは大きな間違いです!
ブームに洗脳されているにすぎません!
男性で整理収納アドバイザー1級の資格を持ち、整理のスペシャリストとして活動している整理ist 佐藤亮介がプロの立場から解説したいと思います。
あなたがなかなか片付かないとお悩みの答えは、もしかしたらこの勘違いにあるのかもしれませんね。
特に、物が捨てられないとお悩みの方は、一度「捨てる」を捨ててみてはいかがでしょうか?
「捨てる」から始めなくても解決していける方法もあります。
大切なお話をさせていただきますので、スマホのスクロールはゆっくり動かして読み落としのないようになさってくださいね。
目次
断捨離とは?
まずは、「断捨離」について調べてみます。Wikipediaの中にこのように書いてありました。
断捨離とは、不要な物を断ち、捨てることで、物への執着から離れ、自身で作り出している重荷からの解放を図り、身軽で快適な生活と人生を手に入れることが目的である。
確かに断捨離には、不要な物を「捨てる」という意味も含まれています。
本当は、「不要な物を断ち、物への執着から離れ」という「断」と「離」の教えもあるのですが、一般の方にはこのような精神論的なことはなかなか理解がむずかしいわけです。
そこで、一番分かりやすい「捨てる」だけをクローズアップしてしまったために、「断捨離」 = 「捨てる」が多くの人には認識されてしまったのです。
整理とは?
では次に、「整理」について調べてみます。
Googleで「整理とは」で検索してみると、
1、乱れた状態にあるものをかたづけて、秩序を整えること。
2、不必要なものを取り除くこと。
このように書いてあります。
つまり、「整理」の意味の中には、「物を捨てること」とはどこにも書いていないのです。
それなのに、多くの人は「整理」も不要な物を捨てることだと思っている人が多いのです。
「整理」 = 「断捨離」 = 「捨てる」
ここでまず私が申し上げたいことは、「整理」は「捨てる」ではないということを覚えていただきたいのです。
「整理」の第1歩は、物を捨てていくことからではありません。
じゃあ、どういうこと?
整理とは「不必要なものを取り除くこと」
〝なんだ、やっぱり「捨てる」ってことじゃないの!〝 って思われたのではないですか?
いえいえそうじゃないんです。
「不必要なモノを取り除くこと」 = 「捨てる」ではないんです。
正しくは、
「不必要なモノを取り除くこと」 = 「選択」(選んで分ける)という意味です。
あなたが持っている物を「必要」か「不必要」かで選んで分けていきましょう!ということです。
選んで分けるためには、「基準」が必要ですよね。
その基準を、あなたにとってそれは「必要な物ですか?」、「不必要な物ですか?」で考えてみましょう!と云うことなのです。
一方、世の中には、「要・不要」(要るか、要らないか)で分けましょう!って言っている人も多いはずです。
でも、「要るか?要らないか?」の「要・不要」では、整理は上手くできないのです。
例えば、衣装ケースに随分長くしまい込んだままの服があるとします。
そこで、私がこう訊いたとします。
この服、要りますか? 要りませんか?
そうすると、多くの人はこう言います。
要ります!
人は、要るか、要らないかで訊かれると「要る!」って言うのです。
特に日本人はモッタイナイ文化の国民ですから、「要らない」 = 「捨てられる」って考えてしまうからです。
物が捨てられない人、捨てるのが苦手な人は、絶対に「要るか?要らないか?」で整理をしてはいけません。
捨てるのが嫌だから、どうしても「要る!」 ⇒ 「このまま取っておきたい」って判断してしまいますから。
くどいようですが、もう一度申し上げておきます。
「整理」とは、≪選んで分ける≫ことであって、イコール「捨てる」ではありません。
自分に無理のない、ストレスを感じない基準で、選んで分けてみることから始めていただきたいです。
そこには、その基準には「捨てる」はありません。だから、安心して自分に正直になって選んで分けていきましょう!
選ぶ基準は1つじゃない!
整理とは、≪選んで分ける≫が第1歩です。
選んで分けるためには基準が必要です。
「必要か?不必要か?」は、あくまでも1つの基準に過ぎません。定義として1つの基準を提案しているだけです。
だから、別に≪必要・不必要≫の基準だけにとらわれなくてもいいのです。
やましたひでこさんの「断捨離」がブームになると、日本中が「捨てるか、捨てないか」、もしくは「捨ててもいいか?」という「捨てる」だけが基準なんだと洗脳されてしまいました。
私と同じ整理収納アドバイザーの資格を持つ、こんまり(近藤麻理恵さん)は「人生がときめく魔法の片づけ」という本を出し世界的なベストセラーになりました。
すると、日本中は「ときめくか、ときめかないか」と云う「ときめき」が基準になってしまいました。
はやり、日本人はマジメな国民と云うか、洗脳されやすい国民なんでしょうね ^^;
でも、私は今着ている服に対して「ときめくか?」って訊かれてもピンときません。
沢尻えりかさんや深田恭子さんには、いい年してときめきますが、物に対してときめくかどうかって言われても分からないんです。
この「ときめき」基準は多くの女性にはヒットしたわけですが、でも女性の中にも「ときめくかどうか」ってピンとこない!って云う人もいるわけです。
これは当然のことです。
だって、人間は1人1人価値観や個性を持っているわけですからね。
何かが流行ると、それにすがりたいとか、そこに答えを求めたくなる気持ちは分かりますが洗脳されないで下さい。
あなたは、あなたなのです。
あなたの基準で選んで分けてみればいいのです。
例えば、こんな基準だってOKです。
- よく使っているのか?いないのか?
- よく着ているのか?いないのか?
- 気に入ってるのか?もう気に入っていないのか?
- 役に立ってる物なのか?立っていないのか?
- 好き?嫌い?
- 心が温かくなる?ならない?
- どうしても無くちゃいけない?
えっ、こんなゆるい基準でいいの?!
いいんです!
わざわざハードルを高くする必要はありません。
無理のないストレスを感じない自分流の基準でまずは整理を始めてみることが一番大切なんです。
自転車や車が最初はゆっくりした出だしから加速がついてくるように、整理も回数を重ねれば必ず馴れてきます。
最初から≪完璧は望まない、目指さない、頑張りすぎない≫で、自分を苦しめないで下さい。
「選んで分けるだけ」、そこには「捨てる」はない!
だったら、物が捨てられないあなたにもできそうな気がしませんか?
物が多い場所、物の種類も多い場所、広い場所からやるのはやめましょう!
クローゼット、タンス、衣装ケースなど、衣類から整理を始めるのはやめましょう!
キッチン、冷蔵庫、食器棚も難関です。
写真? 絶対に危険です!
物がたくさんある場所、種類も多い物や場所、押入れや納戸のような広い空間から始めるのは危険です。
もーいや!
もーやりたくない!
やっぱり、私には無理!
って、途中やめになったのでは益々自分を責めてしまいます。
私がクライアントさんやセミナーでオススメしているのは
- 財布の中から
- バッグの中から
- 化粧ポーチから
- 筆箱から
これらは私たちの一番身近な収納場所です。
5~10分あればできちゃいますので、練習としては最適なんです。
そして、こうした身近な収納がスッキリキレイになる事で、モチベーションがアップしやすくなります。
達成感も簡単に感じられます。
そして、少しずつ慣れてきたら次のステップに進みましょう!
例えば、
- 下駄箱の中
- 洗面所
- お風呂
- トイレ
- 化粧台
- テレビ台
- 食卓テーブル
家族も含めて毎日共有して使う場所をスッキリキレイにすることで、家が段々と変化している事を実感できます。
家族も喜んでくれるでしょう。
こうして加速をつけていき、衣類やキッチンなどへと進んでいけばいいのです。
自転車や車の出だしにはパワーが必要ですが、一旦加速がつくと軽くなっていきますよね。
整理も同じです。
馴れてくると、ドンドンとスピードがアップしてきます。
それは、あなたの中で「整理」が完成しているという証なんです。
「捨てる」は、裕福になった日本人の贅沢病です!
断捨離ブームが起こってから、「捨てる」がクローズアップされすぎています。
確かにゴミは捨てなくてはいけません。壊れたり破れたりした物はゴミ化している物なので早々に処分した方が賢明です。
でも、もう一度あなたの家の中を見つめていただけないでしょうか?
例えば、クローゼットやタンスの中の衣類の中には、気に入っててよく着ている服もあれば随分長く着ていない服も混じっているのではないでしょうか。
食器棚の中の食器たちも、よく使っている食器と使っていない食器が混在していませんか?
更にこうした着ていない服や使っていない物の中には、まだキレイで破れてもいない衣類もあるはずです。壊れたりヒビも入っていない食器もあるはずです。
それなのに、どうして断捨離(捨てる)ばかり考えるのでしょうか?
本当に「捨てる」と云う手段しかないのでしょうか?
まだ充分使える物を「捨てる」という行為は、裕福になった日本人の贅沢病です!
捨てて、また新しく買えばいいや!
捨てても、また買えるし!
どうせ100円だし!
どうせ安かった服だし!
それなりにお金を持ってしまった日本人の心に棲みついた悪魔です。
欲しくても、買いたくても、手に入れることができない人の方が、今でも世界では多いのです。
そうした人たちには「捨てる物」なんて何一つありません。
「モッタイナイ!」、「物を大切にする!」って言いながら、簡単に物を捨てている日本人を世界の人はどう見ているのでしょうか?
確かに、「捨てる」は手っ取り早い手段です。
捨てれば家の中から消せる。 ⇒ 家の中が片付く
でも、捨てられた物たちは燃やされたり埋められるわけで、どれだけの環境汚染になっているのでしょう?
安易な「捨てる」は、地球の環境破壊を手助けをしている行為にならないでしょうか?
日本をはじめ先進国の人間が、今の異常気象を起こしてしまった要因のひとつではないでしょうか?
このままでは益々、日本ばかりではなく地球が汚れ、危険な環境になってしまいます。
あなたのお子様や未来の子供たちに、そんな日本や地球を残したままでいいのでしょうか?
「捨てる」よりも「活かす」を優先して考えましょう!
私は「捨てる」は、あくまでも最終手段として考えています。
随分と着ていない服、ずっとしまい込んだままの物たちを捨てるという安易な手段を選択することはありません。
私は、「活かす」を「捨てる」よりも優先して考えるようにしています。
まずは、もう一度着てやれないかな?もう一度使ってみようかな?ということから考えます。
それでも、やっぱり自分にはもう必要ないなって感じたら「手放す」方法を考えます。
「捨てる」ではなく、「手放す」です。物を私から解放してあげるのです。
「手放す」方法にはいろいろあります。
- 欲しい人に差し上げる
- 寄付する
- 売る
- 廃品回収、バザー
- 交換する
自分にとって必要じゃない物も、他の人には必要な物もあります。それが欲しいという人がいます。
でしたら、その人に手放していけば、その人も物も喜んでくれるのではないでしょうか?
単純に、持ち主が私からその人に変わっただけです。
まだ充分に使える、着れる機能を残している物たちをどうして簡単に「断捨離」、「捨てる」で済ませようとするのでしょうか?
それこそが、「モッタイナイ」行為ですよね。
「捨てる」だけで解決し続けると、心はどんどん荒んでいく気がします。物を大切に使わない人になっていく気がします。
日本人がずっと培ってきた「おもいやり」は、人に対してだけではなく、物に対しても大切にしてきた文化です。
あなたが着ていない服を、使っていないいろいろな物を待っている人が世界には大勢います。
今こそ、日本人の「おもいやり」で手を差し伸べてあげませんか?
裕福になった日本人が今やるべきことは、物を捨てて自分さえキレイになればいいというジコチュウではないと思っています。
どうか皆様もお考えになってみていただけないでしょうか?
整理とシンプルライフの違いとは?
もう1つ誤解されているのが、整理とはシンプルライフになることだと思っている人がいます。
確かに物を少なくすれば、家や部屋は広くなりますし、片付けも掃除もラクになります。
何よりも物を捜さないという快適な暮らしが実現しやすくなるでしょう。
だけど、「整理」と「シンプルライフ」は完全にイコールではないのです。
例えば、服の枚数だけで考えてみますね。
シンプルライフの人は、30着あれば充分だと考えるとします。
最近話題のミニマリストは、いえいえ10着で充分よって言います。
一方、整理は50着でも100着でもいいと考えます。
その50着や100着が全て着ている服であれば枚数は関係ないのです。
冒頭で、「整理」とは≪選んで分ける≫ことが第1歩ですとお話ししましたよね。
さらに言うと、「整理」の最終は「厳選する」なのです。
自分にとって本当に必要な物だけに厳選した(しぼり込む)物の持ち方をすることです。
だから、服の枚数や食器の個数が基準にはならないのです。
服を沢山持っている人でも、ちゃんと着まわしている人だっています。
食器も毎日、どれに盛りつけようかなって使いまわしている人だっています。
そうした方々は、物の数が多くても厳選できているってことなんですね。
私は決してシンプルライフではありません。ましてやミニマリストでもありません。
私は整理ist(セイリスト)です。
服だって、靴だって、バッグだって、文具だって、それなりに持っています。
だけど、ちゃんと使っています。着ています。
それでもいいのではないでしょうか?
あなたは、テレビや雑誌で紹介されているようなシンプルライフを目指したいのですか?
それって、いきなりはハードルが高くないですか?
物を厳選する「整理」から始めていく方が気持ちは楽になりませんか?
人はひとりひとり違います。
他人と同じじゃなくて当然だし、それでいいんです。
テレビや雑誌に出ている人や暮らしを真似する必要はありません。
あなたは、あなたなりのやり方で、あなたなりの暮らしを実現していけばいいと私は感じています。
以上でお話を終わります。
共感していただけましたら嬉しいです ^^