子供や夫に掃除や片付けの家事を手伝って欲しい時に抜群の効果を発揮する7つの魔法の言葉

主婦やママが家事を忙しくしているのに、子供はゲームに夢中。夫は寝っころがってゴルフ雑誌を読んでいる。
怒りが爆発寸前ですよね。
だけど、怒鳴ってしまっては自分も相手も不愉快な気持ちのままになってしまいます。
掃除や片付けなどの家事を手伝ってもらいたい時に、すごい効果を発揮する魔法の言葉があります。
心理学や脳科学で実証されている人間の本能を活用すればいいのです。
ここでは、3つの方法をご紹介しますので、ぜひお試しください。
目次
「好意の返報性」で相手をその気にさせる!
まずは、「好意の返報性」という心理学で実証されている方法を使ってみましょう。
「好意の返報性」とは、言い換えれば「エサで釣る」または「お礼をしたくなる」ということです。
心理学者のデニス・
見ず知らずの2人を映画館の待合室に座らせておきます。
1人の方に飲み物を買いにいかせます。
その時に、2パターンさせました。
1パターンは、自分だけの飲み物を買いにいかせます。
2パターンは、もう一人の分も買ってこさせます。
それぞれ、その後でもう一人の人にチケットを買ってきてくれないかと頼みます。
この実験を何回も違う2人組で行ったところ、1パターンよりも2パターンの方が2倍の効果があったのです。
つまり、飲み物を買ってくれたというお礼や感謝の気持ちが、面倒くさいことでも行動に移させる効果があったのです。
皆さんも、誰かにお土産やプレゼントをもらうと、何かお返しをしなくてはいけないと思うはずです。
または、なにか親切にしてもらうと自分も何かしてあげなくちゃと思いますよね。
それが、「好意の返報性」です。
恋愛における好意の返報性
余談ですが、この「好意の返報性」は男女の恋愛においても起こるそうです。
相手から「好き」という気持ちを受けると、受けた側も「好き」を返してあげなくてはいけないかも?って感じるのが本能だそうです。
「好き」って言われて、ほとんどの人は悪い気持にはならないはずです。
ただ、そこから本当に恋愛に発展するかは別ですが ^^
「好意の返報性」を家族に応用する方法
それでは、「好意の返報性」をどのように使えば、子供や夫は家事を手伝ってくれるようになるのでしょうか。
一番多いのが、「エサで釣る」という方法ではないでしょうか?
例えば、子供に対して


こうした言葉は既に日常の中で使っているのでは?
どちらも「おやつ」というエサ(好意)で、お風呂掃除を手伝うという返礼を期待しているわけですね。
だけど、効果を期待できるのは後者の方なんです。
先にエサを与えてしまうと、取られ損になってしまうことがあるからです。
「馬の鼻先に人参をぶらさげて走らせる」という言葉があるように、エサをチラつかせておく方がいいのです。
夫に対しても

よりも、

の方が「好意の返報性」は効果を発揮できるのです。
「譲歩の返報性」で相手に、うんと言わせる!
「譲歩の返報性」とは、例えばこんな実験をしました。
「非行少年たちを水族館に連れていってくれないか?」と学生たちに頼みました。
すると、83%の学生が断りました。
そこで、次はまず「毎日1人ずつ非行少年たちの個人カウンセラーを1年間引き受けてくれないか?」と頼みます。
すると、全員が断りました。
でも、すぐそのあとで「非行少年たちを水族館に連れていってくれないか?」と頼むと、約半数の学生が承諾したそうです。
つまり、「非行少年たちを水族館に連れていってほしい」のが、本当の目的なのですが、先に大きな無理っぽい頼みごとをすることで、承諾を得やすくなるという作戦です。
昔、私の友人は「譲歩の返報性」を知らなかったはずですが、こんな成功事例を話してくれたことがあります。





これは、まさに「譲歩の返報性」ですね。
わざとハードルを高くして、相手に無理と思わせておくことで、次のハードルがすごく低く感じさせやすくなるのです。
「譲歩の返報性」を使って夫や子供に手伝わせるテクニック
「譲歩の返報性」を使えば、なかなか手伝おうとしない夫や子供にもOK!って言わせることができます。
例えば、こんな感じでいかがでしょうか?

おそらく返事は、

そこで、すかさずこう言います。

かなり高い確率で、いいよ!って言うはずです。
本当は、お風呂掃除をしてほしいわけです。買物などの頼み事は、わざとハードルを上げる作戦です。
「買物、クリーニング、町内会長の家に行く」に比べれば、お風呂掃除の方がマシか!って思わせるのです。
勉強嫌いの子供には、

って、ハードルを上げておいて

って言えば、まんまと作戦勝ちです ^^
「譲歩の返報性」を最大限に活かすコツは、最初の頼み事は相手にとって絶対に嫌がるだろうな~、無理難題だろうな~っていう高すぎるハードルにしておくことです。
そして、この「譲歩の返報性」のメリットは、万が一最初の頼みごとに、いいよ!って言ってくれても、こちらとしては全然問題がないって云うか、嬉しいばかりですよね。
どちらにせよ、大助かりになるわけです ^^
「二者択一」法で、子供や夫に自分で決めさせる心理作戦
人間は、2者択一に弱いです。
これとこれだったら、どっちがいい?って訊かれると、ほとんどの人はどちらかを選ぼうとします。本当はどちらでもないと思ってても、どちらかを選んであげないと悪いなって思うからです。
特に、日本人は気遣いや思いやりの心が強いので、断れなくてどちらかを選んでしまうのです。
例えばデートの誘いでも、

って誘うと、断られがちですが、






昔、知り合いのホストから教えてもらった誘い方です ^^;
今までの「好意の返報性」や「譲歩の返報性」は、いったんは何かを頼んで、その後にもう1つを頼むという作戦でしたが、「二者択一」心理作戦は違います。最初から、2つの頼みごとを提案して相手に選ばせるという作戦なんです。
例えば、こんな感じです。



かなり高い確率で、どちらかを選ぶはずです。
こちらとしては、どちらを選んでくれてもいいわけですから、まんまと作戦勝ちです。
そして、選んだのは相手ですので、こちらとしては強要したことにはなりません。
相手も自分が選んだ以上、重い腰を上げる羽目になるわけですね ^^
三択で真ん中を選ばせる心理作戦
こんどは三択作戦です。
だけど、2者択一作戦とは少しやり方が違います。
これは、商売において用いられる心理作戦なのです。
例えば、こんな売り方をします。
●輸入牛ステーキ100g当り580円
●国産牛ステーキ100g当り780円
●国産黒毛和牛ステーキ100g当り1,100円
同じ牛肉ステーキでも、3つのラインアップで陳列します。
さぁ、一番売れるのはどれでしょう?
答えは、真ん中の「国産牛ステーキ100g780円」です。
人間の心理として、真ん中を選ぼうとする傾向があります。輸入牛は安いけど美味しくないかもしれない。かと言って、和牛ステーキは高いから手が出にくい。
国産牛ステーキでいいか!真ん中の物に対しては、味も和牛ほどではないけど輸入牛よりも美味しいはずと思うのです。
だから、一番売りたい商品や利益が高い商品をわざと真ん中のランクにして売ると、消費者は見事に真ん中を選んで買う人が多くなるという商法の1つなのです。
お店としては、真ん中を買ってくれたら儲かるわけですが、他の物を買ってくれても売上げにはなるので問題なしです。
アンケートでも、「良い」・「ふつう」・「悪い」とあったら、「ふつう」を選ぶ人が多いのです。
ということは、家族に家事を手伝って欲しい時にもこの心理作戦が使えますよね。
もしも、お風呂掃除を一番してほしいのであれば・・・

●洗濯物を干す
●お風呂掃除
●トイレ掃除
コツは、一番やってほしいことを真ん中にすること。そして、1番と3番はたぶん嫌がるだろうなぁっていうのを配置することです。
この作戦も、もしも真ん中以外を選んだとしても、それはそれで助かるわけなので問題ないですよね。
自分も犠牲にして相手にYESと言わせる心理作戦
家庭から良く聞こえてくる会話がありますよね。


この「自分ばっかり」が、人っておもしろくないわけです。
自分は掃除をしているのに、ソファに寝っころがってゲームをされると怒り心頭ですよね。
だから、そういう相手に対しては先制攻撃をかけるのです。



このように、私も何かをするからという自己犠牲をして、相手に頼むと相手は断れなくなります。

要は、「自分ばっかり」じゃないってことを相手に感じさせれば、人ってYESって言わざるを得なくなるという作戦です ^^
男と子供には一度に2つ以上頼まない!
「1度に2つ以上の事をする」、これをマルチタスクと言います。
このマルチタスクが、男や子供の脳は苦手としています。
ゴルフ好きの夫がテレビのゴルフ中継を見ている時に話しかけても聞こえていません。
ゲームに夢中になっている子供に話しかけても無視されます。
これは、あなたの言葉を聞きたくないのではなく、集中している脳が拒否しているのです。
一方、成人女性は平均で1度に4つのマルチタスクが可能と言われています。
例えば、料理を作りながら、子供と話ができて、テレビの音も聞こえてるし、次は洗濯物をたたまなきゃって段取りもできますよね。
これを男がやろうとすると、料理が無茶苦茶になってしまいます ^^;
脳の機能の違いなので許してあげてほしいです。
女性の脳はマルチタスクが得意なので、夫や子供も同じだと思っています。だから、こんな頼み方をしてしまいます。

畳んでくれたらうれしいんだけど?
そのあとお風呂の掃除もしてくれる?
そろそろ子供のお迎えもお願いね!
完全に男の脳はパニックをおこして回路がショートしてしまいます。



男や子供がマルチタスクが苦手なのを知っている女性は、ひとつひとつ頼むように心掛けます。

入れ終わったのを確認してから、

畳み終わったのを確認したら、

・・・って感じです。
女性の皆さんはめんどうくさ!って思ったでしょ?
そうなんです、男や子供って面倒くさいのです。脳が女性よりも器用ではないのです。
だから、めんどうくさい!から1度に頼んでしまうと、かえって期待した結果につなげることができません。
女性の皆様も、子供の時に親から、「宿題しなさい!」、「かたづけなさい!」、「明日の用意できたの?」、「早くご飯食べなさい!」って言われたら、気分を悪くしたのではないでしょうか?
どうか、ご主人やお子さんにも、その時の事を思い出して気をつけてあげてください。
男はピンポイントで頼む方がやる気になる!
マルチタスクが苦手な男は、さらにピンポイントの方が分かりやすいのです。
例えば、

と頼むより、


というピンポイント作戦の方が効果的なんです。
一所懸命にカビを落とそうと頑張ってくれます。鏡や蛇口を見事にピッカピッカに輝かせるはずです。
男の脳は「極める」が大好きなんですね。
止まったゴルフボールをどう打てば上手にまっすぐ飛ばせるか?を極めるために練習場に通うのです。
プラモデルや日曜大工なども「極める」があるので、男には向いているのです。
このカビはどうすればキレイに落ちるだろう?、鏡をピカピカにするためにはどうすればいいだろう?って極めようとします。
ネットで調べるかもしれません。何か特別な洗剤や道具を買いに行こうとするかもしれません。
そこまでしなくていいから!って女性は思うかもしれません ^^
だけど、あえて止めないで下さい。
せっかく極めようとしている男を止めてしまうと、もうやる気を起こしてくれなくなります。
時間がかかったとしても、やってくれるだけマシかもねって寛大な気持ちでいてあげてください。
さらに、極めることで男が興味を持ち、あなたがいちいち言わなくても手伝ってくれるようになれば儲けものですよね。
ピンポイント作戦は、男や子供にはすごい効果を発揮しますので、ぜひお試しください。
3S言葉でホメたおす!
最後に男や子供が喜ぶ3S言葉をご紹介しておきますね。
なにか手伝ってくれたあとに、この3S言葉をプレゼントしてあげれば、ご主人や子供は嬉しくなって、またやってもいいかなって思います。
言葉はタダです。使わない手はありません。
3S言葉とは、

すごい!
ステキ!(最高!)
洗濯物のたたみ方が自分と違っても、少々悪くても、ダメダシをしてはいけません。

お風呂掃除の後で

自分が考える、理想とする7割で良しとしてあげましょう!
全く何もしてくれないゼロよりも7割の方がいいですよね。
男はいつまで経っても子供です。褒められたいのです。自分の事を見て欲しいのです。ドヤ顔をするのは気がついて褒めてほしいという表れなんです。
面倒くさいって思うかもしれませんが、無視はしないであげてください。
できれば大げさなくらいに褒めてあげれば、より一層家事をサポートしようと考えてくれるかもしれません。

男は見え透いたことを言ってるって思っても、心の中では滅茶苦茶喜んでいるものです。
子供は素直ですから、大げさな褒め言葉はすごく効果的です。
あなたが、ご主人や子供を褒めれば、きっと相手もあなたを褒めてくれるようになります。
一番最初にご紹介した「好意の返報性」を思い出してください。
情けは人のためならず
という昔の言葉があるように、人に対してかけた愛情は巡り巡って自分にも返ってくるものです。
おまけ:妻やママの「助けて」に弱い!
男や子供の脳には、女性の「助けて」に敏感に反応する仕組みがあるそうです。
しょっちゅう「助けて」って言ってると、利き目は薄れていきますのでご注意ください。
ここぞという時に、


って言うと、


って反応してくれるはずです。
そこで、


って頼んでみれば


って夫や子供が救いの手を差し伸べてくれますよ。
そしたら、心の中で「うまくいったわ!」ってベロを出して喜んでおけばいいんです ^^
まとめ|言葉を整理しましょう!
いかがでしたでしょうか?
7つの魔法の言葉をご主人や子供に試してみてください。
ちょっとでも効果が出れば儲けものではないでしょうか?
暇な主婦やママはいません。
あなたばかりが、家じゅうをバタバタと動き回って家事をこなすのはしたくないですよね。
家族を上手く動かせば、その分ラクになります。
でも、怒鳴ったり、強要では人の心は動きません。心が動かなければ身体は動きません。
言葉を整理して、相手の心が喜ぶような、気持ちがよくなるような言葉を選んでみれば、必ず動いてくれるようになります。
だって、それが家族なのですから。
あとがき|キセキの片付けとは?
私が提唱しているキセキの片付けとは、<奇跡>と<軌跡>です。
片付けは多くのキセキを生み、育みます。
身の回りを片付けることで、必ずあなたに小さな<奇跡>が生まれます。
そして、<軌跡>とは、「小さな点の集まりがもたらす図形」、「自分が歩んできた足跡(contrail)」と云う2つの意味があります。
たとえ小さな片付けでも必ずスッキリキレイな環境と云う図形を作っていきます。
たとえ小さな片付けでも続けてることで、自分の足跡(contrail)を残していけます。
<奇跡>や「軌跡>は、幸せをもたらすキセキです。
小さなキセキは意外に自分にも起こせるものなのです。
小さな奇跡の積み重ねが、自分の軌跡になっていきます。